カラコンをファッション用品だと思っている人が多いようですが、カラコンはれっきとした厚生労働省の承認が必要な高度医療機器です。服やアクセサリーを買うのと同じようなお洒落用品感覚で購入して使用すると、目に障がいを及ぼすこともあります。
国民生活センターが、17銘柄の安全性をチェックしたところ、レンズの直径が基準を超えていたり湾曲の度合いが基準外だったり、レンズ表面まで着色されているなどの不良品がたくさん見つかりました。各銘柄を8時間装着したところ、ジョンソン&ジョンソンの1銘柄を除く16銘柄で使用を中止せざるを得ない事態となったり、眼科での治療が必要になったものも多数あったのです。
眼科に行くと、メガネをかけている医師が多いことに気が付いた人も多いと思います。「眼科医なのに、コンタクトではなくてどうしてメガネなんだろう?」と思った人も多いでしょう。
実は眼科医の大半が、コンタクトレンズは使いません。それは、コンタクトレンズで角膜が傷ついた人を沢山見ているからです。忙しくてついついコンタクトを外す暇がないこともある眼科医は、目の安全性を考慮して、コンタクトは最初から使わないのです。
もしも眼科医で、お洒落目的でカラコンなどをしている人がいたら、おそらく上司にこっぴどく叱られるでしょう。
角膜は外側から上皮細胞、ボーマン膜、実質、デスメ膜、内皮細胞の5層構造になっています。内皮細胞は一度傷がつくと、その傷は残ります。傷つく原因として多いのが、コンタクトレンズなのです。このことを知っている眼科医は、コンタクトなど使用できないのが当然です。
目が障碍を起こす原因として一番多いのが、コンタクトレンズの汚れで約48パーセントです。そして、使用方法の説明不足やフォローアップが不適切だったことが原因だというケースが、74パーセントほどあります。
10歳代の感染性角膜炎のおよそ96%は、コンタクトレンズが原因だという報告もあります。感染性角膜炎で目が痛いのに、我慢して使用を続けていて失明した、というケースも報告されているのです。
また、角膜潰瘍のために、角膜の混濁で強い視力低下や不正乱視が残って角膜移植をせざるを得ない状態となった人もいます。角膜移植ができればまだ良いのですが、角膜が薄すぎて移植すらできない、というケースも散見されます。
最近はスマホを過度に使い過ぎて、ドライアイになっている人も多いです。ドライアイの人は、それでなくても角膜に傷がつきやすくなります。ドライアイだとは知らずにカラコンを装着することは、非常に危険なことなのです。
これらのことを考えると、眼科で診察を受けることもなく、自己判断でドンキでカラコンを買うのは、例えると素人に注射をして貰っているようなものです。
ドンキホーテでは、眼科医の処方箋がなくても誰でも、ペンダントやネックレスを買うかのようにカラコンを購入できますが、これは非常に変なことであり、同時に危険なことでもあるのです。
カラコンは、医療機器だという事をしっかりと認識してください。
カラコンを購入する際はドン・キホーテではなく、きちんと眼科医の診察を受けて、処方箋に基づいたものを眼科のコンタクトレンズ室などで購入してください。